純朴という名の郷愁 — Chapter: 04「純朴」

この椅子はプラハ北駅の小さな合鍵屋の前に佇んでいた。

私は強い衝撃を受けた。普通なら見向きもされないゴミであろう。しかし、この椅子はあちこち傷んではいるが、現役だ。合鍵ができ上がるまで座ってもらおうという店主の思いを、今日もしっかりと務めている。

私は、この素朴さと対峙することで、自分がいつの間にか忘れ、どこかに置いてきてしまっていた大切なことを思い出すことができた。

この、決して変わらないあるべき人間の価値観。私の心は、ほっと落ち着き、幸せな気持ちになった。

私にとって被写体は出会いだ。

そこに行けばあり、そこに行けば撮れるというものを記録することに何の意味があるだろう。私は撮るべきものに出会うため、また歩きはじめた。

  • Chapter: 01「命聲」
  • Chapter: 02「悲哀」
  • Chapter: 03「悲光」
  • Chapter: 04「純朴」

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