35mm換算40mm~60mm相当のレンズは、人間の視線に近い自然な遠近感が得られることから「標準レンズ」と呼ばれてきました。標準レンズの一般的な定義は、画面の対角線に近い焦点距離を持つレンズとされていますが、DP2xのレンズの焦点距離が24.2mmであるのに対し、イメージセンサーの対角線長は24.86mm。DP2xのレンズはまさに標準レンズと言えます。
これまで標準レンズには、伝統的にガウスタイプかテッサータイプと呼ばれるレンズが採用されてきました。ガウスタイプは基本的に高性能で大口径化に向いていますが、たとえば点光源を写したときに、鳥が羽根を広げたようになってしまうサジタルコマフレアが発生しやすくなったり、周辺まで光量を確保するのが難しいなどの欠点があります。一方、テッサータイプはシンプルな構成で小型化しやすいメリットがある一方で、大口径レンズでは高性能化しにくいという欠点を持っています。