
「時空を超えた誇り」
いま世界から注目される牧場があるという。
そこは完全なる持続性を持ち合わせているのだそうだ。
それだけのことなら、
私は訪ねてみようとは思わなかっただろう。
しかし、牧場を運営する彼らが
「現代のカウボーイ」なのだと聞き、
それに私は反応してしまった。
いまどきカウボーイ?
西部劇のなかでの存在ではないのか?
いまも変わらない? それは本当なのか?
さらに偶然の重なりとは不思議なものだ。
私はオレゴンに住んでいる。
そして、彼らのその牧場はオレゴンにある。
確かめたい。
私は仰々しい撮影機材ではなく
SIGMA DP1 Merrillだけを手に
彼らに会いに行くことにした。

オレゴン州の地図を広げてみる。だが、その牧場があるという場所には何の印もない。
私は行き交う車もない道をひた走りながら、ドラマティックに変化してゆく「なにもない」ものにカメラを向けた。
見渡すかぎりの広がりを、SIGMA DP1 Merrillの19mmという広角レンズはダイナミックに描写するだろう。そして抜けるように澄んだこのオレゴンの空気は、すべての光を受け止めるMerrillセンサーが記録するはずだ。
湿度や、匂い、音までもそこに在るかのように。